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(昔々の‥)学園祭でプロレス

Takahiko Wada
Takahiko Wada

またもや、昔々のプロレスネタを書いてみます。
今回は高校生のとき、学祭でプロレスしたときの話です。
当時を思い出しながら書いてみました。

長編ノンフィクション(?)小説です。

=== 1.序章 ===

それは、高2の学園祭の練習中に始まりました。
我が校の学園祭は、文化祭2日と体育祭1日が合わせて行われます。
中でも盛り上がるのは、体育祭のマスゲームです。団体のダンスみたいのです。

そのマスゲームの練習中に、クラスのK君が怠けているので、
私は彼に向かってドロップキックを炸裂させました。
するとK君は**パワーボムロメロスペシャル**で反撃してきました。

そんな攻防が周りから思いの外ウケて、
「クラス発表で、プロレスやっちゃおうよ~」
と、急遽そんなノリになりました。

クラス発表とは各クラスが教室で披露するイベントで、
他のクラスはお化け屋敷や、カフェをしたりします。
我がクラスは別の出し物が決まっていたのですが、
急遽10分だけゲリラ的にプロレスを披露することになりました。

さていよいよ本番。

体操のマットで作った簡易リングで、タッグマッチを行いました。
突貫企画の割に盛り上がり、観客もそれなりに来てくれました。

クラスは盛り上がり、
「来年もやろうなー」
「女子プロもやっちゃう~?」

的な盛り上がりっぷりでした。

※その後、このプロレスは生徒会に無断で行ったため、減点対象となった(汗)
(クラス発表も点数が付けられて各クラスで順位を競います)
若干、肩身の狭い思いをする‥

**
=== 2.旗揚げ ===**

そして、1年後‥高3の学園祭です。

昨年の減点という苦い経験から学び、
今回はちゃんと有志団体発表として生徒会に申請しました。
申請時に、怪我をしないか?上半身裸はどうか?が若干問題になりましたが、ごり押しました。

そして旗揚げされた団体が。
ZWA
Zeze Wrestling Associationの略です。
「ズワ」って発音します。なんか微妙‥??

さて、学園祭1カ月前。
選手集めをします。
去年のノリ具合からして、すぐ集まると思っていました。

ところが‥‥

いざ声をかけてみると
「まじでするの??」
「え、、、恥ずかしいし、、、」

あららら、思いの外、厳しい反応です!

焦る、我々。

しかし最終的には何とか頭を下げて、
2人のレスラーをスカウトすることに成功しました。
一人は校内屈指のイケメン、もう一人は校内屈指のマッチョ(ラグビー部)です。

そんなこんなで準備は進みます。

雰囲気を出すために、小道具作りにも精を出しました。
中でもポスターはイケてました。
ほんとのプロレスのポスターみたく、上側に写真、下側に会場名を描きました。
デジタル機器のない当時、写るんですで撮った写真を切り貼りし、コンビニでカラーコピーして作ったのを覚えています。

ポスターには、**「ジャンボ中村」**という謎の覆面レスラーも載せました。
正体は私です。
ジャンボ中村というリングネームは、突然閃いたのですが、
後から考えてみると近所にあるスーパーの名前でした。

学年に中村君というナイスガイがいたのですが、誰が言い出したか、
「ジャンボ中村の正体は中村君だ」という噂が流れていました(笑)

他にも、
チャンピオンベルト、闘魂ガウン、ビッグバンベイダーの甲冑などを作りました。

そして、いよいよ本番当日を迎えます。

=== 3.当日ハプニング発生! ===

本番当日。
会場は特別活動室という、ちょっと広めの教室。
昨日から運んでおいた、柔道の畳と体操用マットを設置します。

コーナーポストはなんと人間です。友達に頼んでロープを持ってもらいます。
それっぽくするために、青コーナーの人は青く、赤コーナーの人は赤く、顔を絵の具で塗りたくりました。
友達に感謝感謝。

さて‥
ほんとに観客は来てくれるのかな‥
かなり不安‥

しかし!そんな不安を拭うかのように、
開場前からコアなプロレスファンがチラホラ集まります。

私  「まだ始らないよ」
ファン「いえ!プロレスですから!」
おお!特別リングサイドを確保すべく、早くから陣取るプロレスファン!

そんなマニアの来客に気を良くした私たちは、
レスラー気取りで受け身の練習をする。
‥ズドン!バシン!
素人なので、もちろんテキトーですが。

‥しかし、ここでハプニング!!
出場を頼んでいた2人のレスラーが来ていない!

なんと、、、
イケメンの彼は、軽音のライブが盛り上がって長引いてるとのこと!
ラグビー部の彼は、プロレスの前に出た部活の出し物で、
油谷さんを演じ、全身油で身体が火照ってただ事ではないとのこと!

うーん‥‥‥‥‥‥

嬉しいことに観客は続々と集まってきています。
後には引けません。

困った私とK君の下した決断は、、、
マスクを被って1人2試合!

私はマスクを被り、ジャンボ中村となります。
K君は念のため用意しておいたボロマスクを被り、ホントに謎な覆面レスラーとなります。

そして、ゴングを迎えます。

=== 4.覆面対決 ===

第1試合は、ジャンボ中村 vs 謎の覆面レスラー(リングネームすら無し)。

私はミルマスカラスのごとく、軽快にトップロープを超えてジャンプイン!
‥のはずが、ロープに足をひっかけ転倒してしまいます。

入場後、マイクパフォーマンス。
K君がマイクを取って、
「みんなジャンボ中村が謎の覆面って言うけれど、、、
俺の方が謎なんじゃー!!」
もはや発言まで謎です‥

そして、試合開始のゴング!

試合は基本的に八百長です。
勝敗はもちろん、予め全ての試合の流れを打合せしています。

しかし、当然ながら全ての流れを記憶できるはずもなく、
始まったら頭の中は真っ白です。

よけるはずのロープワークで息が合わず、二人は激しく激突!
しかし、思いの外、観客は大盛り上がり。

そうか、これでいいんだ。
激しくバシバシやれば、アドリブでも何とかなるんだ。

K君が私に頭突きをかまします。
かなり強烈な一発。リアルに効きました。

これは
「ガチンコで来いや!」
というK君のメッセージだと勝手に悟りました。

それに返事するかの如く、私も強烈な頭突きを返します。
ゴンッ!

後から聞いた話ですが、K君はこのとき、私がキレてやり返してきたと思ったそうです。

あと面白かったのがアームブリーカーです。
私がK君の腕にアームブリーカーを炸裂させました。
すると女子から**「キャー」という悲鳴が。
さらには
「え、今のはマジ、ヤバくなーい?」**的な声が聞こえます。

K君は腕を抱えて悶絶しています。
9割9分それは演技ですが、私もちょっと心配になりました。
まあ、それでも迷いなく、その腕を腕ひしぎ十字固めで極めておきました。

あとの展開は覚えていませんが、
最後は予定通りに、
餅つき式パワーボム。
最後の一発は、汗で滑ったため、投げっぱなし気味になりました。結構効いたかも。
シナリオ通り、ジャンボ中村が勝利しました。

この試合、マスクを被ってましたが、もちろん友達にはバレバレでした。
しかし試合を見に来ていた私の実弟は気付かなかったそうです。あらら。

そして、続いてメインイベントです。

=== 5.メインイベント ===

K君はアントニオ猪木の如く、闘魂ガウンを纏い、炎のファイターのBGMとともに入場。

私はビッグバンベイダーの甲冑(手作り)を被り入場。
当然ながらほとんどの人がビッグバンベイダーなど知らないため、
「何あれ?象?」的な反応でした。

この試合はZWAチャンピオンベルトを賭けての試合です。
勝手に私が初代チャンピンについています。

ベルト返還のあとゴング!

1試合目で要領を得た私たちは、相変わらずアドリブでバシバシやります。

しかし、だんだんネタが尽きてくると、
腕四つで組み合いながら
「どうする?」「次なに?」ってコソコソ話します。
実際それは丸聞こえだったのですが、逆に面白かったらしいです。

疲れてきたので、寝技の応酬を演じます。
お互いかなり汗をかいてるのでヌルヌルします。
パンツ一丁の男子2人が、ヌルヌル絡む姿を見て、
さすがに女子からは**「キモ~い」**との声があがります。

途中、二人の息が合わずに凄い技が誕生します。
K君のムーンサルトプレスを私が横にかわす予定だったのですが、
私が立ち上がってしまったため、お互いの頭が激突しました。
ムーンサルトヘッドバット(?)
リアルに星が飛びました。

そんなこんなで、いよいよフィニッシュです。
最後はK君のブレーンバスターで、私が3カウントを奪われました。
このブレーンバスターはリアルに効いて、胸部を強打して一瞬呼吸できなくなりました。

晴れてZWAチャンピオンの座についたK君ですが、
マイクを取り、なんと、、、
「今日で引退します」
の驚愕発言!(シナリオ通り)

そしてマイクは続きます。
「最後にみなさんにメッセージがあります
‥‥
この道を行けばどうなるものか!この道を行けば、、、、」
お決まりのやつです。
猪木の引退試合のパクリです。

そして最後は会場のみんなで
「1,2,3,ダァーーーーー!!」
で締めました。

初の試みで不安もありましたが、
終わってみれば超満員御礼の大成功でした。

そして、、、
観客が引けたあと、
汗をぬぐうかの如く、プールに走って行って飛び込んだのを覚えています。
なんか青春ぽい。ヒュー。

(完)